「アルツィラ役の齊藤が、出色の出来だ。ドラマティックな役柄のソプラノだけに絶叫調に陥ってしまいがちなところを、劇的な表現力をマグマのように滾らせながら、一つ一つの『歌』を丁寧に歌い込み、他の歌手とのアンサンブルにも細やかに気を配ると言った一見矛盾する技を見事に体現してみせる。とりわけ悲劇性が弧を描いて高まってゆく第3幕は彼女の独壇場であって、彼女が死を決意する場面などは、この知られざる作品のリヴァイヴァルに繋がってもおかしくない音楽性と力に満ちている。」レコード芸術2013年10月号より抜粋。
« In the title role, Junko Saito sings with warm expressive tone, good diction and also acts with conviction. » -Classical Music Reviews – March 2013 MusicWeb-International
東京都出身。田園調布雙葉学園、東京芸術大学卒業。同大学修士課程独唱科修了。フランス政府給費留学生として渡仏後、パリ、NY、ボルドーなどで研鑽を積む。ボルドー大劇場(フランス)、ナポリ・サンカルロ劇場、ラヴェンナ・ダンテ・アリギエーリ劇場、南チロル音楽祭(イタリア)、チロル音楽祭(オーストリア)、サンタンデール音楽祭(スペイン)をはじめ、欧州各地及び中国にて、オペラ、宗教音楽、歌曲、現代音楽を中心に演奏活動を続ける。
2023年10月、新国立劇場「子供と魔法」ママン役で出演予定。
2022年3月、ベルカントオペラフェスティバルインジャパンにて「ジュリエッタとロメオ(日本初演)」(ヴァッカイ作曲)アデーリア役で出演。2021年10月、新国立劇場にて「チェネレントラ」ティースベ役で出演。2020年3月、びわ湖ホール「神々の黄昏」ノルン2で出演、全世界に動画配信。ブルーレイ発売中。
2019年4月、「フィレンツェの悲劇」(ツェムリンスキー作曲)のビアンカ役で東京新国立劇場デビュー。
オペラではワーグナー「ラインの黄金」ヴェルグンデ、「神々の黄昏」ヴェルグンデ、ノルン3、「ワルキューレ」ジークリンデ、ゲルヒルデ、「パルジファル」クンドリー、花の乙女、「さまよえるオランダ人」ゼンタ、プッチーニ「トスカ」タイトルロール、ベートーヴェン「フィデリオ」レオノーレ、ヴェルディ「アルツィーラ」タイトルロール、ビゼー「カルメン」タイトルロール、モーツァルト「イドメネオ」イリア、シャリーノ「私を裏切った光Luci mie traditrici」ラ・マラスピーナ、などをレパートリーとしている。
コンサートでは「証聖者の荘厳晩課」「ハ短調ミサ」「ノットゥルノ」(モーツァルト)、「天地創造」(ハイドン)、「レクイエム」(フォーレ、ドヴォルザーク、シューマン)、「グロリア」(プーランク)、「荘厳ミサ」(ベルリオーズ、ベートーヴェン)、交響曲第9番(ベートーヴェン)、「聖書の情景より」(F・メンデルスゾーン)、「スターバト・マーテル」(ロッシーニ、ペルゴレージ)、「クリスマス・オラトリオ」(サンサーンス)「月に憑かれたピエロ」(シェーンベルク)、「セクエンツァⅢ」「フォークソング」(ベリオ)、「マダガスカル島民の歌」(ラヴェル)、「ハラキリ」(P.エトヴォシュ)などに出演。
過去出演したヴェルディ「アルツィーラ」始め、ワーグナー「パルジファル」、「ニーベルングの指輪」、「タンホイザー」、シュトラウス「エレクトラ」、シャリーノ「私を裏切った光」など、多くがブルーレイ、DVD及びCD化され世界各国で販売中。
また、2010年より、舞踏家カルロッタ池田プロデュースによるダンス公演「Chez Ikkyu」に即興演奏で参加、パリ、リヨン、リモージュ、コニャック、アルカッションなどフランス各地でツアーを続けている。
2011年より、児童合唱JAVAのヴォイストレーニングを務める。就任以来、ボルドー国立オペラ大劇場にて、ラ・ボエーム、オテッロ、カルメン、ウェルテル、ねじの回転、子供と魔法、ペドロ親方の人形芝居、ペレアスとメリザンド、ファウストの拷罰、第九、メサイア、カルミナ・ブラーナ、マーラー「交響曲3番」、ロッシーニ「小荘厳ミサ」、カザルス「エル・ペセーブレ」などの合唱作品、子役のソロの発声指導に当たっている。
中村浩子、林康子、M・レアーレ、C・モラーヌ、JP・ブリヴェ、F・ウィルソン、F・ララの各氏に師事。藤原歌劇団団員、コンセールC会員。
フランス在住。